育休明けの職場復帰できないと言われたら会社都合で退職できる?保育園は?
2024.11.14 2024.11.20
職場復帰を前提に育休(育児休業)に入った女性が、育休明け後に職場復帰ができないというケースがあります。職場復帰を前提に厳しい保活をしてきたワーママが、真っ先に頭に浮かぶのは、子どもの保育園はどうなるのか、会社都合で退職できるか、育児中のワーママの転職活動をどうしたらよいかの3つでしょう。
育休から職場復帰できない、戻る職場がないといわれた場合の退職に関する注意点、保育園に影響があるのか、ワーママの転職についてお伝えします。
育休明けに職場復帰できないのは違法?
妊娠した女性を解雇する・育休を取得した従業員に足しして降格させるなどの、妊娠・出産・育休などを理由とした、解雇・雇い止め・口角などのマタハラと呼ばれる不利益な取り扱いを行うことは、育児・介護休業法に基づき違法です。
どのような理由が違法になるかチェックしてみましょう。基本的には、妊娠・出産・育児において仕事に支障が出たとしても、それは労働者である働くワーママが守られることになります。
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妊娠・出産をした
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検診のために仕事を休んだ
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つわりや切迫流産で労働能力が低下した・仕事を休んだ
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育休を取得した
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育児で時間外労働・休日労働・深夜業をしない
違法とされる会社の取扱い
具体的な理由に対して、このような扱いを会社がした場合、法違反として、行政指導や、悪質なケースには、事業主名の公表がされます。また、裁判等になった場合、結果によっては、解決金や損害賠償金、慰謝料の支払いを命じられることもあります。
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解雇された
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予定されていた雇用契約が更新されなかった
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正社員ではなく、パートになるよう強制された
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降格・減給された
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昇進・昇格の人事考課で不利益な評価を行う
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賞与等における不利益な暫定
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不利益な自宅待・通常であれば、ありえないような配置転換をされた
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仕事をさせない・もっぱら雑務をさせる等の終業環境を害する行為
ワーママが職場復帰できないのは違法ではない?
妊娠や出産・育休を取得することを理由に、妊娠・出産から1年以内に解雇や退職を迫るのは、違法ですが、なぜ、ワーママが育休明けに職場復帰ができない、解雇をされるということがあるのでしょうか。それは、会社が業績不振などに陥っている場合は、退職を促すことは違法とされていないからです。
そのため、会社の業績悪化による人員整理、遠方への転勤異動辞令を出すなど、妊娠・出産・育休とは関係のないことを理由にした場合、退職を進めたり解雇をすることは、実際に起こっている問題です。
業務上の必要性から不利益取扱いをせざるをえず、業務上の必要性が、当該不利益取扱いにより受ける影響を上回ると認められる特段の事情が存在するとき。
労働者が当該取扱いに同意している場合で、有利な影響が不利な影響の内容や程度を上回り、事業主から適切に説明がなされるなど、一般的な労働者なら同意するような合理的な理由が客観的に存在するとき。
引用元:厚生労働省・都道府県労働局
育休明けに職場に戻れない?対処法は?
育休明けに戻る職場がない・仕事がない・遠回しに退職を促されるなど、職場復帰ができない事態になった場合の対処法をお伝えします。
口頭ではなく解雇通知書
退職して欲しいと言われたら、大きなショックを受けますよね。驚きと悲しさで、辛い気持ちはグッと堪えて、その場で退職しますと返事をするのはNGです。
退職に関するトラブルを避けるため、必ず解雇通知書などの書面を求めましょう。また、いつ・どこで・誰に・どのような理由で退職を迫られえたかを記録をすることをおすすめします。
退職日の交渉をする
どうしても職場復帰ができないのであれば、退職日の交渉をしましょう。転職先が見つかるまで、育休中であれば、子どもの保育園に提出する復職証明書を発行してもらえるよう退職日を調整できないか、相談してみましょう。
会社都合退職にしてもらう
働く意思があるにも関わらず退職を迫られるのですから、自己都合退職ではなく、会社都合退職にしてもらいましょう。そのためにも、安易に退職を受け入れるのではなく、少しでも不利にならないように会社に交渉をしましょう。
職場復帰できないなら会社都合で退職できる?
会社を退職する場合、自己都合退職と会社都合退職があります。自己都合退職は、働いている本人の意思による転職や、結婚・出産・引越し・本人や家族の体調不調や介護などです。会社都合退職は、会社の都合により解雇や退職推奨、早期退職の募集に本人が自ら応募した場合が該当します。
ワーママが育休明けに職場復帰をする意思があるにも関わらず、退職を促されたり、解雇をされた場合は、会社都合退職ができる可能性が高くなりますが、はっきりと会社都合退職にして欲しいと伝えていない場合は、自主都合退職扱いにされてしますこともあるので注意が必要です。
退職願・退職届の提出は待って!要注意ポイント
会社を辞めるときに、会社に提出する退職願は、自らの意思で退職を希望する場合には必要ですが、会社都合退職の場合に、退職願の提出は不要です。手続きで必要だからと、促されるまま退職願を提出することで、自己都合退職の扱いを受けることにもなりかねませんので、注意しましょう。
また、退職願と似た退職届は退職の手続きを進めるうえで、自己都合退職、会社都合退職を問わずに、提出を求めている会社も少なくありません。退職届を会社に提出すること自体に問題はありませんがが、退職理由の記入には要注意です。
会社としてのフォーマットだからと一身上の都合と記載するように説明を受けるかも知れませんが、自己都合退職として扱われてしまうリスクが高まります。ワーママが不利にならないように、事実に基づいて退職理由の記載をすることをおすすめします。
会社都合退職のメリット
ママの職場復帰をしたいという意思とは関係なく、育休明けに職場復帰を会社がさせないのであれば、会社都合退職にしてもらえるよう交渉をしましょう。
失業給付金の支給タイミングが早い
会社都合退職の最大のメリットは、自己都合退職と比較して、失業給付金(失業保険)の支給が早く、支給日数も長いことです。(※給付日数の条件は、勤続年数や年齢に応じて異なります。)
会社都合退職は転職理由に使える
転職活動の面接では、必ず前職の転職理由、退社理由を質問され、自主都合退職の場合、転職・退職理由を深堀されることも。自主都合退職だからと、ありのままを話す必要はありませんが、人材を見抜く面接官に嘘は通用しません。
会社都合退職だと心象が悪い、転職で不利になるという一昔前のマイナスイメージがありますが、本人に問題があり解雇されたわけでなければ、会社都合退職は正当な退職理由になります。会社の業績が悪くなり、リストラ・人員整理、倒産などによる会社都合退職も珍しくありません。
3歳未満の子どもがいると失業給付金の延長ができる
育休明けに職場復帰を予定していたのに、職場に戻れないなら、育児に専念しようと考えるママもいるかも知れませんし、育児と仕事を両立できる会社に転職ができず、転職活動に苦戦するかもしれません。
失業給付金(失業保険)の受給期間は、原則、退職から1年間とされていますが、妊娠・出産・3歳未満の子どもの育児により、直ぐに働くことができない場合は、最長で4年間まで受給期間を延長することができます。焦ってミスマッチの転職をするより、落ち着いて転職をするためにも、失業給付金(失業保険)の延長を検討するのもいいでしょう。
子どもの保育園は?職場復帰できないと退園?
厳しい保活を乗り越え、やっと入園が決まったのに職場復帰ができないとなると、保育園の入園が取消になるのではないかと、不安になりますよね。上に兄・姉がいて通園している場合は、さらに不安は大きくなるでしょう。
認可保育園の場合、自治体によって保育園の制度が異なります。多くの保育園では、仕事を辞める、職場復帰できないことを理由に、直ちに保育園を退園とはならないでしょう。
ママがこれから仕事をするという前提で、休職中として扱われ2~3か月の猶予があることがほとんどです。詳しくは、自治体に確認をしましょう。
育休明けの転職はmamacharmキャリア
戻る職場がないというのは、とても悔しい気持ちになりますよね。なかには本当に業績不振のために仕方なく退職を勧めることもありますが、育休明けに職場復帰させたくないというマタハラ・育休切りを行う会社にいても、育児とワーママの働き方に理解がある会社だとは感じられません。
心機一転、新しい環境でスタートするなら転職エージェントがおすすめです。育児中ということで、転職活動が思うように進まない、転職後にまた悔しい思いをしたくないママも多いでしょう。
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