ワーママに対するマミートラックは仕方ない?悔しいままで対策はない?

2024.08.30 2024.09.05

妊娠・出産を経て、子育てをしながら働く女性が増えていますが、残念ながらワーママが働きやすい環境がどの企業にも整備されているわけでは、ありません。

育児と家庭、仕事を両立しキャリアを積む上げたいと考えているワーママは多くいます。ワーママの復職や、その後の働き方にあたり、注意したいのがマミートラックです。

今回は、ワーママを悩ませるマミートラックについて、マミートラックが起きてしまう原因や対策についてご紹介いたします。

マミートラックとは

マミートラックという言葉を耳にしたことがありますか。子育てをしながら働くワーママに起こりやすい課題です。マミートラックとは、英語のmommy(母・お母さん・ママ)とtrack(陸上競技のトラック競技)を組み合わせた造語です。

現代の日本社会において、マミートラックという言葉はネガティブなイメージがありますが、本来はワーママの環境を改善するために発せられたものです。

マミートラックの語源と始まり

1988年に女性のキャリア推進を進めていたNPO(国際非営利団体)の当時の代表であるフェリス・シュワルツ氏が、女性の働き方を大きく2つに分ける考え方を発信しました。

キャリア優先型キャリアと家庭の両立型の2タイプを掲げ、キャリアを優先するだけでなく、キャリアと家庭を両立したいと願っているワーママに対して、育児休業などの福利厚生を含む新しい働き方を提案したことがきっかけです。

どちらのタイプを望む女性に対しても、十分なサポートと理解を求めるというこのフェリス・シュワルツ氏の提案に対して、ジャーナリストがマミートラックと名付けたとされています。

十分なサポートと理解というのは、雇用されるワーママ側と雇用主である企業の考えが一致して初めて成り立ちます。育児子育てと両立するために、時短勤務やそれに相当する業務量を望むワーママもいれば、育児・家事をこなしながらもバリキャリのキャリアを積んでいきたいと考えているワーママもいます。

双方の志向性が一致していれば問題にはなりませんが、認識にズレがあった場合、企業側の一方的な配慮としてマミートラップという現象が起きてしまします。

マミートラップでキャリア成長の機会が奪われる

マミートラップとはどのような問題で何が問題なのでしょうか。マミートラップの代表的な問題として挙げられているのが、ワーママのキャリアアップのチャンスが奪われてしまうということがあります。

マミートラップが起きてしまう原因として、企業側の一方的な思い込み、行き過ぎた配慮が浮かんできます。企業としては、育休から明けて職場復帰したばかりだから、業務を減らしてあげた方がいいだろう、子どもが小さいと大変だろうから責任のあるポジションは避けた方が助かるだろう。

育児中は残業や出張はきっと難しいから管理職への昇格は見送った方がいい。など、ワーママに対する配慮が根底にあったとしても、無意識な思い込みや偏見により、ワーママのキャリアアップのチャンスを遠ざけてしまうことです。


マミートラックが起きてしまう原因

マミートラックが起きてしまう原因として、以下の原因が考えられます。

  • 働き方の制度の未整備
  • 上司とのコミュニケーション不足
  • ワーママに対する職場のアコンシャスバイアス

働き方の制度の未整備

子育て中の女性が仕事を続けるためには、働き方の制度の整備が整っていることが重要です。時短勤務の延長・フレックスタイム制・在宅勤務(リモートワーク)などは、育児・家庭・仕事のワークバランスを保つためにとても有効な制度です。

育児に対する理解が乏しい企業の場合、子どもの体調不要などにより遅刻や早退、欠勤がやむを得ないこともあります。企業内での人事評価制度として、遅刻・早退・欠勤が多くなってしまうことが、結果的にキャリアのマイナス点となってしまいます。

時短勤務・フレックスタイム制・在宅勤務(リモートワーク)ど積極的に導入している企業は、従業員の意思を尊重している、働いてくれる人、ワーママも即戦力の一人として考えている、育児や子育てに理解がある企業だと評価することができます。

上司とのコミュニケーション不足

企業の方針としてマミートラップ引き起こす考え方があった場合、コミュニケーションがしっかりと図れていれば、ワーママの意思に反する待遇や働き方を回避することができます。企業としては、ワーママに対する配慮だった場合でも、自分のキャリアアップのチャンスを奪われてしまった・仕事に対するモチベーションが低下してしまうと考えてしまう女性は多いでしょう。

その場合、従業員であるワーママから上司に対して、意見を発するのは、難しいことです。普段から上司との信頼関係り立っているからこそ、ワーママも本音で話をすることができます。

ワーママに対する職場のアコンシャスバイアス

アコンシャスバイアス(Unconsious bias)とは、無意識の偏見・無意識の思い込みという意味があります。職場には多くの人がおますよね、人それぞれ価値観は異なりますが、社内でワーママに対するアコシャンスバイアスも、マミートラックを引き起こしてしう原因にもなります。

  • 女性は仕事より、育児や家庭を優先するべき
  • 責任のある仕事は、ワーママには任せられない
  • 育児中のワーママには負担の少ない業務を割り当てるべき

企業の体質やオフィスで働く人にこのようなアコシャンスバイアスが浸透していることで、マミートラップが必然的に起きてしうのです。ワーママに対してこのようなアコシャンスバイアスが起こることで、企業は優秀な人材を逃してしまうリスクもあります。


マミートラックにより悔しいと感じる心理

マミートラックにより、ワーママが悔しいと感じる心理状態に追い込まれることは少なくありません。ワーママが悔しいと感じるマミートラックとは、どのようなことなのでしょうか。
マミートラックにより企業に居づらいと感じ、退職・転職の道を選択するワーママもいます。

仕事に対してやりがいを得られなくなる

仕事にウェイトを置いていた女性ほど、産後・育児中のワーママはマミートラックを悔しいと感じる傾向にあります。今までバリバリ仕事をしてきたのに、仕事をさせてもらえない、責任あるポジションを任せてもらえない状況に、歯痒く悔しさを感じます。

マミートラックにより昇給・昇格が望めない。一時的なキャリア街道から離れ戻れるなら話は別ですが、子どもが大きくなるまで数年はかかりますし、キャリアに戻れない組織も一定数。キャリアアップができないとなれば、さらに仕事に対してやりがいを得られなくなってしまいます。

将来が不安になり希望を見い出せない

収入や賞与のお金に対して不安を感じるワーママもいます。時短勤務をしていれば、労働時間がフルタイムより短いので仕方がないことですが、仮にワーママがフルタイムでの勤務を希望していた場合、時短勤務による収入の減少、賞与の人事評価はマイナス要素になります。

キャリアアップのチャンスも奪われ、収入も減り、人事評価が下がるとなると、将来に対して不安になりこのまま、この企業で働くべきなのか疑問を抱えるのは、不思議ではありません。

社内で孤立をしてしまう・孤独を感じる

育休明けに数年ぶりの職場復帰を果たした時に、社内の様子が以前と変わっていることに驚きと、違和感を覚えるワーママもいるでしょう。育休中に人事異動があったり、新しい人も増えます。

また、企業の制度が変わり、社内の雰囲気そのものが変わったように感じる、ワーママ自身が時短勤務など、同僚とは異なる働き肩をしていることで負い目を感じたり、輪に入りづらいと感じ孤独を感じてしまうことも。

ワーママのなかには以前自分が就いていたポジションで他の人が仕事をしているのを見て、悔しさと取り残されていると強い孤独を感じるワーママもいるでしょう。

企業ができるマミートラック対策

  • 社内全体の理解度を深める
  • 柔軟な働き方ができる仕組みや体制を整備する
  • 育児中のワーママには負担の少ない業務を割り当てるべき
  • 定期的な1on1を実施
  • 評価システムの見直し

社内全体の理解度を深める

育児・子育ては大変と分かっていても、実際に体験した人にしかなにがどのように大変なのかは、分かりません。また、アコンシャスバイアスがマミートラックに繋がってしまうことの理解を深めることも大切です。

企業がワーママが仕事をしやすい制度や福利厚生を導入しても、社内での理解がなければ、活用したくても肩身が狭い、周囲に迷惑をかけてしまうと感じてしまうことで、形だけの制度になってしまいます。社内での研修や意見交換、アンケートの実施など、理解と配慮をお互いができる環境づくりが企業には求められます。

柔軟な働き方ができる仕組みや体制を整備する

子育てをしながら仕事をするということは、時間を管理することが大きな課題になります。柔軟な働き方は、育児中のワーママだけでなく、親の介護をしている人など、個々のライフスタイルに合わせることができます。

柔軟な働き方として、時短勤務・フレックスタイム制が挙げられます。育児中の時短勤務とは、育児・介護休業法で3歳未満の子どもを養育する従業員が希望する場合、1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を企業はとらなければなりません。
フレックスタイム制は、1日の勤務時間をスライドさせるなど、柔軟な勤務時間を設定することができます。企業によっては、コアタイムを設けているケースもあります。

在宅勤務・リモートワークの活用

通勤時間がなくなるだけで精神的にも肉体的にもゆとりができます。小さな子どもが家にいる状態で在宅勤務・リモートワークをするのは、仕事をする当事者であるワーママもなかなか難しいという声もあり、基本的には、子どもは保育園や幼稚園に通園するという場合が多いようです。また子どもの急な体調不良やケガでのお迎えや、休園・休校に対応しやすいというメリットがあり、育児中の女性には嬉しいメリットが多くあります。

福利厚生として育児・子育てを支援

保活・保育園難民という言葉があるように、出産後に仕事をしたくても子どもの預け先が見つからず仕事ができないという思いをしている女性もいます。企業内に託児所や保育園を設置する、シッターを利用する場合は、福利厚生として費用を補助することで、子育て中の女性が安心して働けるだけでなく、企業は優秀な人材離れを防止することができます。

定期的な1on1を実施

マミートラックの本来の意味を思い出してみましょう。マミートラックとは、キャリア優先型・キャリアと家庭の両立型の2タイプのどちらをワーママが希望するのか、企業は希望に沿ったサポートをするこが求められています。

育児中にキャリアアップを望んでいないワーママもいれば、育児をしながら積極的にキャリアを積みたいと考えているワーママもいます。育児や家庭・仕事に関する考え方や目標は人それぞれです。ワーママと企業の考えのすれ違いが起きマミートラックが引き起こされないよう、しっかりとヒアリングするためにも定期的な1on1は、今すぐにできるマミートラック対策といえます。

評価システムの見直し

しっかりと仕事で結果を出していても、時短勤務であることや、育児中に避けれない、子どもに関する早退や欠勤により人事評価が下がってしまうこともあります。ワーママが状況的に不利になる人事評価制度を見直し、適正に評価を行う制度に見直すことも大きな解決策に繋がります。
きちんと評価をしてもらえる環境ができれば、ワーママのモチベーションも上がり、将来的に育休を取得しようと考えている女性の道しるべにもなります。

マミートラップに悩んだらmamacharmキャリアで転職

マミートラップに悩み、悔しい思いをしている育児中の女性は多くいます。育児と仕事を両立したいと思うのは、決してわがままではありません。今の職場でマミートラックから抜け出そうとしても、企業体制がすぐに変化をしたり、明日目が覚めたらワーママに対する職場のアコンシャスバイアスがワーママへの理解になることも、現実的には難しいでしょう。

mamacharmが運営しているmamacharmキャリア(ママチャームキャリア)では、ワーママのキャリア優先型・キャリアと家庭の両立型どちらの転職のサポートも得意としています。
あなたはどちらの働き方を希望しますか?ママの希望の働き方・職種をお聞かせください。ワーママは、わがままではありません。育児・ワーママに理解のある会社に転職することで、悔しいと感じ悩むマミートラックから抜け出すこともできます。

職場復帰に不安を感じている育休中のママもお気軽にお問い合わせください。mamacharmキャリアは、正社員雇用で、時短勤務の求人や在宅勤務(リモートワーク)フレックスタイム制度を積極的に実施している、妊娠・出産・子育てに理解がある企業の求人をご紹介しています。ワーママの笑顔が増えますように。mamacharmキャリアは、子育て・仕事に頑張るワーママを応援します。mamacharmキャリアと一緒に、顔を上げて歩いていきましょう。