育児時短終業給付で給料減額を補う【支給額や開始時期を解説】
2024.11.20 2024.11.20
妊娠出産を経て時短勤務で職場復帰をする場合、労働時間が短縮されることから、給料の減額を気にする声は多くありました。
2025年6月に成立した、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案によって、時短勤務による収入の低下を補うことを目的として、2025年(令和7年)4月から育児時短就業給付が始まります
育児時短終業給付開始前の時短勤務制度
育児時短終業給付開始前(2025年3月まで)の時短勤務制度(短時間勤務制度)について触れておきましょう。3歳未満の子を養育する労働者が時短勤務を希望をする場合、会社は、時短勤務を認めることが育児・介護休業法23条1項により義務付けられています。
時短勤務は、原則、1日の所定労働時間を5時間45分から6時間までにする制度ですが、隔日勤務で所定労働日数を短縮するなどの措置も可能です。
労働者が希望をし会社が認める場合には、1日8時間の所定労働時間を1時間だけ短縮し7時間にすることもできます。時短勤務制度の選択肢が多いのは嬉しいことです。
時短勤務の対象者
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3歳未満の子どもを養育している
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1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
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日々雇用される者でないこと
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30日未満の有期契約で雇われている労働者でないこと
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短時間勤務制度が適用される期間に現に育児休業をしていないこと
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労使協定により定められた適用除外者ではないこと
時短勤務制度を利用すると給料は減る?
時短勤務で職場復帰をする場合、新たな労働条件に基づいて雇用契約を結ぶわけではなく、産前・産休時と同様に、もともとの労働契約の労働時間を短縮し、それに応じて給料を計算します。
所定労働時間が短縮されれば、その分給料は減ることになります。短縮した労働時間数以上の給料を減らすことは、法律により禁止されています。時短勤務制度を利用することにより、労働者が不利益を受けないように守られています。
2025年4月スタート育児時短就業給付金とは?
今まで時短勤務制度を利用した場合、子育てと仕事を両立はできても、給料が減ってしまうのが現状でした。時短勤務を利用するのは、働くママがほとんどです。時短勤務で退勤時間が早くなっても、仕事の後も、保育園のお迎え・子育て・家事に追われてをいるのが、現状です。
子どもは可愛い、仕事が楽しいと感じていても、疲れから子育てと仕事の両立の辛さに加え、給料も減るとなると、何のためにこんなに頑張っているのだろうと、漠然としたやるせなさに襲われることもあるでしょう。2025年4月スタートする育児時短就業給付金では、働くママやパパに対して、時短勤務中の給料の減額・収入源を緩和することを目的として、給付金によるサポートをします。
育児時短就業給付金の対象者と給付額
時短勤務をしている月に支払われた賃金の1割を育児時短就業給付金として、雇用保険から支給されます。時短勤務中の賃金と育児時短就業給付金の合計が、時短勤務前のフルタイム時の賃金を超えないように給付率を下げる場合もあります。
2歳未満の子を養育するために短時間勤務制度を利用している男女の労働者。ママだけでなく、子育てのために時短勤務を利用しているパパも対象になります。また、育児休業給付金と同様に、時短勤務の開始日より前の2年間に12か月以上雇用されている(雇用保険の被保険期間が12か月以上ある)労働者が対象となります。
育児時短就業給付金の注意点やデメリット
子育てと仕事の両立を支援する目的の育児時短就業給付金ですが、注意点やデメリットについて、指摘もあります。
マミートラックが発生するリスク
産休・育休明けに時短勤務で職場復帰をする場合に、育児時短就業給付金の制度により、時短勤務期間が延びることで、ワーママ本人が望んでいたキャリアから遠のいてしまい、時代の女性活躍推進の流れと逆行してしまうリスク。
時短勤務の長期化による女性の負担が増える懸念
時短勤務制度を利用しているのが、男性よりも女性の方が圧倒的に多いことから、育児時短就業給付金の支給により、女性への子育ての負担の偏りが出てしまうのではないかという懸念点もあります。
時短勤務制度に対しての理解が得られるか
ネット検索をしていると、子育てと仕事の両立に疲弊しているワーママの存在だけではなく、会社内での時短勤務制度やワーママに対する理解の低さを目にすることもあります。現場にいる労働者の問題ではなく、本来は、会社としての社内制度の徹底ができていないケースが多いのも注意するべき点です。
子育て中の働き方に悩んだら転職するのもアリ
時代と共に、子育てや、仕事との両立をしやすいように法改正を含め前に進んでいますが、職場環境や子育てに対する理解度を深めていくのには、簡単に進まないこともあるでしょう。
育休明けの職場復帰に不安がある、時短勤務中だが、今の職場で子育てと仕事の両立がきついと感じている方は、mamacharmが運営しているmamacharmキャリアにお気軽にご相談ください。